認定医療法人への移行(下) 第212回

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元気ですか! 福岡市天神の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

平成29年10月~平成32年9月までの限定適用の認定医療法人制度の流れは①から⑤の順になります。

①持分のない医療法人移行計画検討会議

②社員総会により、移行計画の承認、定款変更の承認を決議し、移行計画の認定を申請します。

③厚生労働大臣が移行計画を認定します。

④認定医療法人の定款変更が認可されます。

⑤定款変更の認可を報告します。

このうち、②において認定の次の要件が要求されます。
イ・移行計画が、社員総会において議決されたものであること。
ロ・出資者等の十分な理解が得られ、持分の放棄の見込が確実と判断されること
ハ・移行計画に記載された移行期限が3年を超えないこと
ニ・運営に関する要件を満たすこと

最後の「運営に関する要件」は次のようなものです。

・法人関係者に対し、特別の利益を与えないこと
・役員に対する報酬等が不当に高額にならないような支給基準を定めていること
・株式会社等に対し、特別の利益を与えないこと
・法令に違反する事実、帳簿書類の隠ぺい等の事実その他公益に反する事実がないこと

このうち、特別の利益提供の判断において、役員車の私的利用は、特別の利益提供のみなされます。ただ、私的利用は精算すれば、一定程度はよいなっていますが、疑義があるともされます。

運営状況を移行期間中は、1年ごとに移行計画の報告しなければなりません。移行完了後も5年間は1年ごとに運用状況の報告をすることになります。

特別の利益提供が明らかになった場合には、持分なし医療法人認定の取り消し事由となり、取り消しとなれば、課税されますので慎重に行う必要があります。

この記事を書いた人
山崎 隆弘

山崎隆弘事務所所長
公認会計士・税理士

1960年福岡県生まれ。福岡市在住。29歳で公認会計士試験に合格。以来、中央青山監査法人(当時)で10年間勤務。会計監査、システム監査、デューデリジェンスに従事し、上場企業などの主査を務めるが、39歳のときに胆管結石による急性胆管炎を発症する。結石の除去に入退院を繰り返し、監査法人を退職。

1年間の休養後、41歳で父親の会計事務所に入所。44歳のときに同事務所を引き継ぎ、公認会計士事務所を開設。同時に妻二三代が入所。「ビジネスと人生を楽しくする会計事務所」がモットー。家族で踊る「会計体操」は、NHK・フジテレビ・KBC・RKB・読売新聞・西日本新聞など多数のメディアで取り上げられる。

著書に『年収と仕事の効率を劇的に上げる 逆算力養成講座』『なぜ、できる社長は損益計算書を信じないのか』。

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