役員への社宅貸与 第254回

経費

役員に対して社宅を貸与する場合は、役員から「賃貸料相当額」を受け取っていれば、給与として課税されません。

この「賃貸料相当額」は、小規模な住宅とそうでない場合とで計算方法が異なってきます。耐用年数が30年以下の建物では床面積が132㎡以下の住宅、法定耐用年数が30年を超える建物の場合には床面積が99㎡以下の住宅が小規模な住宅とされます。要は木造建物では132㎡以下、マンションでは99㎡以下が小規模な住宅です。

小規模な住宅の場合の「賃貸料相当額」は①~③の合計額となります。

① (建物の固定資産税の課税標準額)×0.2%

② 12円×(その建物の総床面積(坪数)

③ (土地の固定資産税の課税標準額)×0.22%

この算式で1ヶ月の家賃を計算すると、数万円程度となります。例えば、会社が家主に払う金額10万円に対して役員が負担する家賃は2万円程度です。この2万円は雑収入として計上します。差額8万円が実質の経費となります。福岡という地方都市なのでこれだけ低くなるのかと思っていましたが、東京のお客様で計算しても、同じような金額となりました。

建物・土地の課税標準額を家主に教えてもらうことが難しいと感じていましたが、賃貸人であれば、役所で「土地・家屋評価証明書」の発行が可能であり、課税標準額は判ります。マンションの場合は、1部屋のみという数字はでていませんので、全体の㎡数に対する、賃貸している部屋の㎡数の割合で算出します。

役員に貸与する社宅が小規模の住宅に該当せず、自社所有の社宅である場合には、建物の課税標準額×1%と土地の課税標準額×0.5%の合計が「賃貸料相当額」となります。ただし床面積が240㎡を超える等、「豪華住宅」である場合には、この算式の適用はなく、通常支払うべき使用料に相当する額が賃貸料相当額になります。

 

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