快適な電子帳簿ライフ 第275回

税制改正

電子帳簿保存法の改正が、令和4年1月1日から施行されています。今回の改正は、次の3つの区分があります。国税庁のHP資料では、

① はじめませんか、帳簿書類の電子化!

② はじめませんか、書類のスキャナ保存!

③ 電子取引データの保存方法をご確認ください

と分かれています。①と②は「はじめませんか」となっていますので、任意です。③のみ今年から強制となります。当初は、③に対応しなければ青色申告の取り消しもあり得ると国税庁は言っていましたが、その後、2年間の猶予期間が設けられる等、少しトーンダウンしてきました。どうせ、しなければいけないものは今年からしておいた方が無難です。

③は例えば、電子メールの本文、添付ファイルで請求書に相当する情報をやりとりした場合、紙媒体ではなく、電子データで保存しなければなりません。データを保存する場合、PDFファイル名に「日付・取引先・金額を」を入れます。これにより検索可能となります。

そして②の紙媒体のものでも③と同様に電子データで保存することも認められています。うちの事務所では、この際、②も③も今年の1月から電子データで保存しています。①の電子帳簿は、会計ソフトが対応していますので、新年度より適用します。

②、③のためには、コピー機のスキャン機能の利用よりも、富士通のScanSnap(写真参照)を利用することをお勧めします。そもそも事務所では10年以上前よりScanSnapを1人1台机に置いて、書類を電子化していました。

領収書、請求書の証憑類のみ、のり付けして保存していました。これらの証憑類も今年から1枚1枚、スキャンしてファイル名を付けて、クラウド上のサーバ(安心君)に保存しています。この場合、決算期ごとに月別のファイルに保存することをお勧めしています。税務署に提出する場合、期間が経過して削除する場合に、便利と思います。

ScanSnapは10年間に比べると相当に進化してています。読み込むだけで、基本的に日付と店舗名がPDFファイル名に付されています。あとは金額の数値を入れるだけです。都度、スキャンすることがコツだと思います。なので、記帳してすぐにスキャンし、証憑類はそのままゴミ箱行きです。

いままでのり付けしていた手間がなくなり、書類がかさばることもなくてスッキリしています。快適な電子帳簿ライフです。

この記事を書いた人
山崎 隆弘

山崎隆弘事務所所長
公認会計士・税理士

1960年福岡県生まれ。福岡市在住。29歳で公認会計士試験に合格。以来、中央青山監査法人(当時)で10年間勤務。会計監査、システム監査、デューデリジェンスに従事し、上場企業などの主査を務めるが、39歳のときに胆管結石による急性胆管炎を発症する。結石の除去に入退院を繰り返し、監査法人を退職。

1年間の休養後、41歳で父親の会計事務所に入所。44歳のときに同事務所を引き継ぎ、公認会計士事務所を開設。同時に妻二三代が入所。「ビジネスと人生を楽しくする会計事務所」がモットー。家族で踊る「会計体操」は、NHK・フジテレビ・KBC・RKB・読売新聞・西日本新聞など多数のメディアで取り上げられる。

著書に『年収と仕事の効率を劇的に上げる 逆算力養成講座』『なぜ、できる社長は損益計算書を信じないのか』。

山崎 隆弘をフォローする
税制改正
シェアする
山崎 隆弘をフォローする
福岡市東区箱崎の公認会計士・税理士 山崎隆弘事務所
タイトルとURLをコピーしました