第79回 高額特定資産を取得した場合の消費税

IMG_3932 元気ですか! 福岡の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

消費税率の10%への改正は、2年半再延長されることになりましたが、平成28年度改正のうち「高額特定資産を取得した場合の中小事業者に対する特例措置の適用関係の見直し 」については、そのままの適用となります。

これは中小企業が消費税の免税を受けていない及び簡易課税制度の適用を受けない課税期間中に「高額特定資産」の仕入れ等を行った場合には、この高額特定資産の仕入れ等の日の属する課税期間の翌課税期間から、当該高額特定資産の仕入れ等の日の属する課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間においては、事業者免税点制度及び簡易課税制度は適用されないというものです。

ここで、「高額特定資産」とは、一の取引の単位につき、課税仕入れに係る支払対価の額(税抜き)が 1,000 万円以上の棚卸資産または調整対象固定資産をいいます。例えば、3月決算会社の場合、平成293月期に1,000万円以上の太陽光発電システムを取得したとすると、平成303月期、313月期は、消費税は原則課税となります。

また、自己建設高額特定資産については、この高額特定資産の建設等に要した仕入等の支払対価の額の累計額が 1,000万円以上となった日の属する課税期間の翌期から、建設等が完了した日の属する期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間まで、事業者免税点制度及び簡易課税制度を適用しないこととなっています。

平成293月期に高額特定資産の建設等に要した仕入等が1,000万円以上となり、平成313月期に完成した場合、平成333月期まで、消費税原則課税の課税事業者となります。

高額資産を取得した場合の消費税還付に対応するための改正です。その後2年間は、売上が1,000 万円以下になっても、消費税課税事業者(原則課税)になるということです。

この記事を書いた人
山崎 隆弘

山崎隆弘事務所所長
公認会計士・税理士

1960年福岡県生まれ。福岡市在住。29歳で公認会計士試験に合格。以来、中央青山監査法人(当時)で10年間勤務。会計監査、システム監査、デューデリジェンスに従事し、上場企業などの主査を務めるが、39歳のときに胆管結石による急性胆管炎を発症する。結石の除去に入退院を繰り返し、監査法人を退職。

1年間の休養後、41歳で父親の会計事務所に入所。44歳のときに同事務所を引き継ぎ、公認会計士事務所を開設。同時に妻二三代が入所。「ビジネスと人生を楽しくする会計事務所」がモットー。家族で踊る「会計体操」は、NHK・フジテレビ・KBC・RKB・読売新聞・西日本新聞など多数のメディアで取り上げられる。

著書に『年収と仕事の効率を劇的に上げる 逆算力養成講座』『なぜ、できる社長は損益計算書を信じないのか』。

山崎 隆弘をフォローする
税制改正
シェアする
山崎 隆弘をフォローする
福岡市東区箱崎の公認会計士・税理士 山崎隆弘事務所
タイトルとURLをコピーしました