第95回 個人型確定拠出年金制度の税制優遇

img_0858元気ですか! 福岡の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

先週に引き続き、個人型確定拠出年金(iDeCo)についてです。iDeCoの最大のメリットは3つの税制優遇です。

まず1つ目は、掛け金が全額所得控除されます。拠出限度額は、自営業者等で年間81.6万円(月額6.8万円)、専業主婦、企業年金に加入していない人で年間27.6万円(月額2.3万円)です。例えば、所得税率が20%の人(所得金額330万円超)であれば、地方税10%と併せて81.6万円×30%=24万円の節税になります。

2つ目は、運用益は非課税となっています。投資信託の運用益、定期預金の利息は非課税です。通常は20%の源泉所得税等が差し引かれて、入金となりますが、この20%が課税されません。

3つ目は、年金として受け取るときは、公的年金等控除が受けれます。65歳未満であれば、年金所得130万円未満で70万円が控除され、65歳以上であれば、年金所得が330万円未満で120万円控除されます。

または、60歳以上になったときは一時金として一括受給することもできます。その場合は、退職所得として取り扱われます。退職所得は、控除額が大きく、20年以内であれば、年数×40万円が控除され、控除後の所得を2分の1にして所得税を計算します。

いいことずくめのようでもありますが、デメリットもあります。60歳になるまでは引き出すことができません。掛けるのも60歳までです。ある銀行のパンフレットをみると月額599円の管理・事務手数料がかかります。

確定拠出年金の年金資産残高に1.173%の税金が課せられることになっています。20173月までは凍結されていますが、引き続き凍結となるか、解禁となるかは不透明です。

この記事を書いた人
山崎 隆弘

山崎隆弘事務所所長
公認会計士・税理士

1960年福岡県生まれ。福岡市在住。29歳で公認会計士試験に合格。以来、中央青山監査法人(当時)で10年間勤務。会計監査、システム監査、デューデリジェンスに従事し、上場企業などの主査を務めるが、39歳のときに胆管結石による急性胆管炎を発症する。結石の除去に入退院を繰り返し、監査法人を退職。

1年間の休養後、41歳で父親の会計事務所に入所。44歳のときに同事務所を引き継ぎ、公認会計士事務所を開設。同時に妻二三代が入所。「ビジネスと人生を楽しくする会計事務所」がモットー。家族で踊る「会計体操」は、NHK・フジテレビ・KBC・RKB・読売新聞・西日本新聞など多数のメディアで取り上げられる。

著書に『年収と仕事の効率を劇的に上げる 逆算力養成講座』『なぜ、できる社長は損益計算書を信じないのか』。

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