第300回 映画『モリコーネ 映画が恋した音楽家』

映画

映画音楽家のエンニオ・モリコーネのドキュメンタリー映画です。監督は『ニュー・シネマ・パラダイス』『海の上のピアニスト』等でモリコーネとタッグを組んだジュゼッペ・トルナトーレ。『ニュー・シネマ』で音楽の担当をお願いしたときは、既に巨匠であったモリコーネに対し緊張しますが、その後、師匠・友人として交流し、全ての映画でモリコーネに音楽を依頼しています。

このドキュメンタリー映画の製作に際し、製作者側がモリコーネに打診をすると「ジュゼッペが撮るならやってもいいが、彼以外ならダメだ」との返事から、ジュゼッペ・トルナトーレが快諾し、撮影がスタートします。

黒澤明監督の『用心棒』の映像が出てきます。映画を撮るに当たって、モリコーネの関わった映画のシーンを自由に使えるという要望が通っていました。さすがに『用心棒』には関わっていませんが、その影響で制作されたセルジオ・レオーネ監督の『荒野の用心棒』に繋がります。小学校の同級生だったレオーネから依頼され、印象深いあの口笛の曲が作られます。『夕陽のガンマン』『続・夕陽のガンマン』と続き、『ウエスタン』(原題・ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト)に昇華していきます。『ウエスタン』は深い感動・余韻を残す映画ですが、モリコーネの曲だったとは!この映画でその秘密を知りました。

アカデミー賞の作曲賞に『アンタッチャブル』などで5回ノミネートされますが、なかなか受賞にはなりません。その時の悔しがる映像も流れます。78才でアカデミー賞の名誉賞、いわゆる上がりの賞を受けますが、なんと87才でタランティーノ監督の『ヘイトフル・エイト』で作曲賞を受賞しています。

毎朝4時に目覚めると体操をします。生涯現役で、この映画の編集中に91才で亡くなりました。しかし、今でもモリコーネが生きて作曲しているような映画になっています。映画を観てから、Amazonミュージックで、エンニオ・モリコーネの曲を毎日聞いていますが、飽きません。

この記事を書いた人
山崎 隆弘

山崎隆弘事務所所長
公認会計士・税理士

1960年福岡県生まれ。福岡市在住。29歳で公認会計士試験に合格。以来、中央青山監査法人(当時)で10年間勤務。会計監査、システム監査、デューデリジェンスに従事し、上場企業などの主査を務めるが、39歳のときに胆管結石による急性胆管炎を発症する。結石の除去に入退院を繰り返し、監査法人を退職。

1年間の休養後、41歳で父親の会計事務所に入所。44歳のときに同事務所を引き継ぎ、公認会計士事務所を開設。同時に妻二三代が入所。「ビジネスと人生を楽しくする会計事務所」がモットー。家族で踊る「会計体操」は、NHK・フジテレビ・KBC・RKB・読売新聞・西日本新聞など多数のメディアで取り上げられる。

著書に『年収と仕事の効率を劇的に上げる 逆算力養成講座』『なぜ、できる社長は損益計算書を信じないのか』。

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福岡市東区箱崎の公認会計士・税理士 山崎隆弘事務所
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