第372回 書評『熔ける 再び そして会社も失った』

書評

『熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録』に続く続編です。前作は、シンガポール、マカオのバカラ賭博により、グループ会社から106億6千万円借り入れ、懲役4年の実刑判決を受けた大王製紙の元会長・社長の井川意高さんの懺悔録です。2013年10月3日に刑務所に収監され、直後の11月に出版した『溶ける』は15万部を超えるベストセラーになっています。

バカラは丁か半かのバクチであり、頭脳戦のポーカーよりも、「運の揺らぎ」を見極めながら「運」に一点賭けする方が脳髄が痺れたそうです。106億円の借入金は会長辞任時には47億円返済し、残りの55億円は一審結審前に完済していたので、執行猶予つきの判決を期待しますが、実刑となります。返済資金は主に持ち株の売却です。

今回の2作目では、刑期満了を迎えた2018年、韓国のカジノ「ウォーカーヒル」で3,000万円の種銭を9億円まで増やして勝ち逃げした話から始まります。

井高さんは東大出身で、ホリエモンと『東大から刑務所へ』という共著まで出しています。刑務所経験者のホリエモンが寒いだろうからと毛布を差し入れたそうです。

刑務所では時間はタップリあるので、一般教養を学び直します。世界三大宗教、哲学まで勉強し、現代哲学者のフーコーの「ほとんどの人間は他人の人生を生きている」に共感します。ニーチェ、アドラーを含めた3人が刑務所の中で一直線でつながったそうです。

刑務所の中に入って良かったことの一つは体が完全にリセットされたことです。3ヶ月で体重が74㎏から62㎏まで減り、オートファジー(自食作用)の効果もあって、身長175㎝に対して55㎏までになります。面会に来た見城徹幻冬舎社長はそんなに大変なのかと落涙します。心配かけるので62㎏くらいに戻します。

所詮「死ぬこと以外はかすり傷だ」には笑ってしまいました。井高さんは現在、ユーチューバーとして、会長時代の年収よりも稼いでいるそうです。早速、YouTube登録させてもらいました。

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