第407回  車はできれば現金で買いましょう

キャッシュを残す経営

インフレによる影響なのか、最近は車の価格も上がってきました。ちょっとした高級車になると10万円超えは当たり前、20百万円代の車を取得するのも珍しくなくなりました。

一方、中古車市場も盛んで、わざわざディーラからその車を売って下さいと頼まれ、使用中の車を売って新車に買い換えたお客様もおられます。業績が悪い会社ほど、中古車ではなく新車を買うケースが増えたことがあります。法人の場合、どんなに赤字決算でも、車そのものに担保価値があるのでディーラーは売ってくれます。

車両を取得してキャッシュフロー的には、あまりにローンが多くなると、その返済金が負担となってしまいます。自分が車を取得する際、ローンで買った時の毎月の返済額が多いので、よくよく計算すると金利が影響していました。いくら経費になるとはいっても、金利がもったいないので現金で取得するようにしています。

車は買った瞬間に価値が下がるので、相続対策にはいいと思います。ただ、外車の超高級車は転売するときには、更に価値が上がっていることもあるとのことで、ローンの残価(ローンの最終払い)がかなり高く設定されています。何よりもローンを多額に抱えて、本業の融資が受けれないとなると本業に影響します。運送業のように本業のために数千万円のトラックを取得するのは、必要なものであり、減価償却費も本来の必要経費です。

単に移動のためだけの車の減価償却は、多額になると利益を圧迫してしまいます。車のリースは、保険などのさまざまの経費が含まれていますので、支払が多めです。可能ならば現金で買って、乗り潰す、使い倒すのがキャッシュを残すためには、より効果的だと思っています。中古車であれば、中古耐用年数の2年で償却(現在は200%償却なので実質1年)できます。なので、車はできれば現金で買いましょう。

この記事を書いた人
山崎 隆弘

山崎隆弘事務所所長
公認会計士・税理士

1960年福岡県生まれ。福岡市在住。29歳で公認会計士試験に合格。以来、中央青山監査法人(当時)で10年間勤務。会計監査、システム監査、デューデリジェンスに従事し、上場企業などの主査を務めるが、39歳のときに胆管結石による急性胆管炎を発症する。結石の除去に入退院を繰り返し、監査法人を退職。

1年間の休養後、41歳で父親の会計事務所に入所。44歳のときに同事務所を引き継ぎ、公認会計士事務所を開設。同時に妻二三代が入所。「ビジネスと人生を楽しくする会計事務所」がモットー。家族で踊る「会計体操」は、NHK・フジテレビ・KBC・RKB・読売新聞・西日本新聞など多数のメディアで取り上げられる。

著書に『年収と仕事の効率を劇的に上げる 逆算力養成講座』『なぜ、できる社長は損益計算書を信じないのか』。

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