第415回 書評『棺桶まで歩こう』

健康法

著者の萬田緑平医師は在宅緩和ケア医として9年間勤務し、現在は緩和ケア萬田診療所院長の傍ら「最期まで目一杯生きる」と題して年50回以上、講演しています。私はこの本で始めて萬田医師のことを知りました。現在61歳で34年間の医師生活で「人間は歩けるうちは死なない」という確信を得ます。

「緩和ケア」は、ガンにまつわる痛みや心身のつらさをできるだけ和らげることですが、萬田医師の場合は緩和ケアは手段の一つに過ぎず、「萬田道場」の方針は「死ぬまで歩くぞ! 人は死ぬんだからしょうがない、病気は老化の段階に名前をつけただけ、老化は治らない。治そうとせずに、死ぬまでは上手に生きよう。棺桶なんかに入りたくなかったら、歩こう!」です。

萬田医師は「人はガンが大きくなって死ぬのではなく、老いて、弱って死ぬ」との考えです。抗がん剤を使い続けるのと、やめた場合とではどちらが長く生きられるのか。やめた方が長く生きられるそうです。ただ、抗がん剤をやめてあきらめて死ぬのを待つだけになると恐怖の時間になってしまいます。その時間を楽しい時間にしようというのが萬田道場の方針です。

60歳で子宮ガンで余命1週間と言われた患者さんが死ぬために家に戻ってきました。「あなたは抗がん剤で弱っているだけ、歩ければもっと生きられる」と、体重25㎏になっても歩いていたら、4年間生き続けたそうです。

また、萬田医師は80歳を超えるとリスクがあるといいます。病気にもならず長生きしていると「認知症」が待っています。80歳を超えて皆から嫌われ、高齢になって子どもから絶縁された母親をたくさん見てきたそうです。どこかできいた話です。なので、家族への「ありがとう」が終末期の逆転ホームランだそうです。

ちょこちょこ歩きでは棺桶をまたげません。自分で棺桶をまたいで「ありがとう」と言ってこの世を去ってもらうのが「生き抜き屋」の仕事だと仰います。

この記事を書いた人
山崎 隆弘

山崎隆弘事務所所長
公認会計士・税理士

1960年福岡県生まれ。福岡市在住。29歳で公認会計士試験に合格。以来、中央青山監査法人(当時)で10年間勤務。会計監査、システム監査、デューデリジェンスに従事し、上場企業などの主査を務めるが、39歳のときに胆管結石による急性胆管炎を発症する。結石の除去に入退院を繰り返し、監査法人を退職。

1年間の休養後、41歳で父親の会計事務所に入所。44歳のときに同事務所を引き継ぎ、公認会計士事務所を開設。同時に妻二三代が入所。「ビジネスと人生を楽しくする会計事務所」がモットー。家族で踊る「会計体操」は、NHK・フジテレビ・KBC・RKB・読売新聞・西日本新聞など多数のメディアで取り上げられる。

著書に『年収と仕事の効率を劇的に上げる 逆算力養成講座』『なぜ、できる社長は損益計算書を信じないのか』。

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