第52回「給与所得の特定支出控除の範囲と機会が拡大されました」

スクリーンショット(2014-01-21 9.05.07)元気ですか! 福岡の公認会計士、税理士の山崎隆弘です。

給与所得から差し引ける特定支出控除について平成25年分から改正されます。

従来は、特定給与所得控除を超える部分が控除されていました。

例えば、給与所得が3百万円のサラリーマンの場合、給与所得控除が108万円あります。

これ以上の経費を集めるのはサラリーマンでは難しく、実質、使え難い制度でした。

平成25年分の所得税からは、特定支出控除が給与所得控除の2分の1を超える分について
適用できるようになります。

上記の例では108万円÷2=54万円を超える分になります。

給与所得が1,500万円を超える場合は125万円を超える分となります。

また、特定支出の範囲が拡充されています。

職務の遂行に直接必要なものと給与支払者が証明した分について認められます。
弁護士、公認会計士、税理士等の資格取得費、図書費・衣服費・交際費等の勤務必要経費
(最高65万円)などです。

勤務必要経費のうちの図書費については、書籍・新聞雑誌などがあります。
書籍は「専門分野において知識を維持発展させるために必要な専門書」となっています。
新聞雑誌は「金融や産業などの特定分野を重点に扱う専門紙」をいいます。

衣服費については、制服・事務服・作業服などになりますが、
「勤務場所における背広などの特定の衣服の着用が慣行である時などは、
その背広など特定の衣服を購入するための支出」は、特定支出となります。

交際費については、「接待等の相手方」が給与支払者の得意先、
仕入先その他職務上関係のある者であることが必要であり、
「支出の目的」が、得意先、仕入先との親睦等を密にして取引関係の円滑化を図るもの
なっています。

職場の同僚との親睦会や同僚の慶弔のための支出は含まれません。

特定支出の適用を受ける場合は「給与所得者の特定支出に関する明細書」を添付する
必要があります。

 

この記事を書いた人
山崎 隆弘

山崎隆弘事務所所長
公認会計士・税理士

1960年福岡県生まれ。福岡市在住。29歳で公認会計士試験に合格。以来、中央青山監査法人(当時)で10年間勤務。会計監査、システム監査、デューデリジェンスに従事し、上場企業などの主査を務めるが、39歳のときに胆管結石による急性胆管炎を発症する。結石の除去に入退院を繰り返し、監査法人を退職。

1年間の休養後、41歳で父親の会計事務所に入所。44歳のときに同事務所を引き継ぎ、公認会計士事務所を開設。同時に妻二三代が入所。「ビジネスと人生を楽しくする会計事務所」がモットー。家族で踊る「会計体操」は、NHK・フジテレビ・KBC・RKB・読売新聞・西日本新聞など多数のメディアで取り上げられる。

著書に『年収と仕事の効率を劇的に上げる 逆算力養成講座』『なぜ、できる社長は損益計算書を信じないのか』。

山崎 隆弘をフォローする
会計処理
シェアする
山崎 隆弘をフォローする
福岡市東区箱崎の公認会計士・税理士 山崎隆弘事務所
タイトルとURLをコピーしました