マイホームを売ったときの特例 第156回

元気ですか! 福岡市天神の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

いよいよ確定申告のシーズンです。今回は確定申告シリーズの第1回として、自宅を売却した場合の譲渡所得税です。

個人が土地・建物の不動産を売却した場合には、売却金額から取得費と譲渡費用を差し引いた譲渡所得に対して課税されます。

譲渡所得税は、総合課税ではなく、他の所得と分離して課税される分離課税となります。所有期間が5年超の場合は、長期譲渡所得として税率は20%(所得税15%、住民税5%)、です。

所有期間が5年以下の場合は短期譲渡所得として税率は39%(所得税30%、住民税9%)となります。所有期間が5年超か、5年以下で、短期は長期の約倍の税率になります。

また、マイホームを売却した場合にのみ認められる特例があります。所有期間の長短に関係なく、譲渡所得から3,000万円を控除する特例があります。通常は、この特例を使えば譲渡所得はゼロとなります。

3,000万円を差し引いても、譲渡所得がある場合、所有期間が10年を超えていれば、所得税は10%と更に低くなります。特別控除を差し引いて6,000万円以下までの所得税率は10%です。

同じく6000万円を超えた場合は、超えたところから15%の所得税率となります。この軽減税率の特例を受けるためには、売った家屋や敷地についてマイホームの買換えや交換の特例など他の特例を受けていないこと、親子や夫婦など特別の関係がある人に対して売ったものでないことなどが要件になります。

逆に、マイホームを売却して譲渡損失が発生した場合、要件を満たせば、その年の給与所得、事業所得など他の所得から控除できます。それについては次回に。

この記事を書いた人
山崎 隆弘

山崎隆弘事務所所長
公認会計士・税理士

1960年福岡県生まれ。福岡市在住。29歳で公認会計士試験に合格。以来、中央青山監査法人(当時)で10年間勤務。会計監査、システム監査、デューデリジェンスに従事し、上場企業などの主査を務めるが、39歳のときに胆管結石による急性胆管炎を発症する。結石の除去に入退院を繰り返し、監査法人を退職。

1年間の休養後、41歳で父親の会計事務所に入所。44歳のときに同事務所を引き継ぎ、公認会計士事務所を開設。同時に妻二三代が入所。「ビジネスと人生を楽しくする会計事務所」がモットー。家族で踊る「会計体操」は、NHK・フジテレビ・KBC・RKB・読売新聞・西日本新聞など多数のメディアで取り上げられる。

著書に『年収と仕事の効率を劇的に上げる 逆算力養成講座』『なぜ、できる社長は損益計算書を信じないのか』。

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