消費税の不課税取引 第226回

消費税

元気ですか! 福岡市天神の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

令和元年10月から消費税率が10%に引き上げられ、計算はしやすくはなりましたが、さすがに重税感があります。今年の6月30日まではキャッシュレスの場合の5%ポイント還元がありますので、更に7月以降はズシリときそうです。

基本的なところで、そもそも消費税の対象は、国内において、事業として対価を得て行われる、資産の譲渡及び貸付け並びに役務の提供に対して課税されます。従って、国外で行われる取引は、課税の対象となりません。

このように消費税の課税の対象となる取引は、資産の譲渡等となりますが、消費に負担を求める税として性格上、課税の対象としてなじまないもや社会政策的に課税が適当でないものは非課税取引とされます。

例えば、土地の譲渡、有価証券の譲渡、利息、医療の給付、介護サービス、住宅の貸し付け等が非課税取引となります。

非課税取引と間違いやすいのが不課税取引です。不課税取引とは、国内において事業者事業として対価を得て行う資産の譲渡や貸付、役務の提供に該当しないものです。

不課税取引は会計ソフト上では「対象外」として処理します。次のようなものが対象外となります。

① 給与・賃金…労働の対価であり、事業として行う資産の譲渡等に該当しません。

② 寄附金、見舞金…対価として支払われるものではありません。

③ 保険金や共済金…資産の譲渡等の対価とはいえません。

④ 株式の配当金…出資に基づいて支払われるものです。

⑤ 資産の廃棄や紛失…資産の譲渡等に該当しません。

⑥ 損害賠償金…対価として支払われるものではありません。

注意しなければいけないのは、売上非課税取引と不課税取引を混同しないことです。消費税還付等の計算において、課税売上割合を使用しますが、非課税と不課税を間違った場合、課税売上割合が大きく変わり、差額が多額に出ることがありますので、注意が必要です。

 

この記事を書いた人
山崎 隆弘

山崎隆弘事務所所長
公認会計士・税理士

1960年福岡県生まれ。福岡市在住。29歳で公認会計士試験に合格。以来、中央青山監査法人(当時)で10年間勤務。会計監査、システム監査、デューデリジェンスに従事し、上場企業などの主査を務めるが、39歳のときに胆管結石による急性胆管炎を発症する。結石の除去に入退院を繰り返し、監査法人を退職。

1年間の休養後、41歳で父親の会計事務所に入所。44歳のときに同事務所を引き継ぎ、公認会計士事務所を開設。同時に妻二三代が入所。「ビジネスと人生を楽しくする会計事務所」がモットー。家族で踊る「会計体操」は、NHK・フジテレビ・KBC・RKB・読売新聞・西日本新聞など多数のメディアで取り上げられる。

著書に『年収と仕事の効率を劇的に上げる 逆算力養成講座』『なぜ、できる社長は損益計算書を信じないのか』。

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