第67回「キャッシュを増やす経営をしよう!」

IMG_3291上場会社ではキャッシュフロー計算書は義務づけられています。中小企業ではなかなか作成することはありません。最近は、会計ソフトでも科目設定をしっかりすれば、キャッシュフロー計算書が瞬時に出てきます。

やはり、会社の経営はキャッシュが増えてなんぼです。その判断材料にとても有用です。税金は払いたくない一心で、無駄な経費を使い、入ってきた分だけ使い切っていると、何年経ってもキャッシュは増えていきません。

キャッシュフロー計算書は

  • 営業活動によるキャッシュフロー
  • 投資活動によるキャッシュフロー
  • 財務活動によるキャッシュフロー

に区分されます。営業活動によるキャッシュフローは、まずは税引前当期純利益からスタートです。それと減価償却費です。減価償却費はキャッシュを伴わない経費ですから、利益に足してキャッシュと考えます。

銀行から借入れた場合、返済原資はこの当期利益+減価償却費になります。ですから、利益を計上しないことには借入金の返済もできません。利益を計上すれば、税金が課税されます。5,000万円借りた場合、実行税率を35%とすると、7,692万円の利益を計上しなければなりません。

投資活動によるキャッシュフローは、土地・建物などの固定資産の取得・売却、有価証券の取得・売却などです。

財務活動によるキャッシュフローは、銀行からの借入金、返済等です。

マンション投資をして、利回り10%とはいっても、キャッシュフロー的には、入ってきた家賃は、銀行返済に回ります。

特に、個人の確定申告で、「こんなにお金は残っていないのに、どうしてこれだけの税金がかかるのですか?」と聞かれることがあります。

銀行返済金は経費とはなりません。銀行返済見合い分くらい減価償却費があるとわかりやすいかもしれません。

キャッシュの金額は操作できません。キャッシュを増やす経営をしましょう。

この記事を書いた人
山崎 隆弘

山崎隆弘事務所所長
公認会計士・税理士

1960年福岡県生まれ。福岡市在住。29歳で公認会計士試験に合格。以来、中央青山監査法人(当時)で10年間勤務。会計監査、システム監査、デューデリジェンスに従事し、上場企業などの主査を務めるが、39歳のときに胆管結石による急性胆管炎を発症する。結石の除去に入退院を繰り返し、監査法人を退職。

1年間の休養後、41歳で父親の会計事務所に入所。44歳のときに同事務所を引き継ぎ、公認会計士事務所を開設。同時に妻二三代が入所。「ビジネスと人生を楽しくする会計事務所」がモットー。家族で踊る「会計体操」は、NHK・フジテレビ・KBC・RKB・読売新聞・西日本新聞など多数のメディアで取り上げられる。

著書に『年収と仕事の効率を劇的に上げる 逆算力養成講座』『なぜ、できる社長は損益計算書を信じないのか』。

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