第88回 損益分岐点で必要な売上高を逆算しよう

img_0396元気ですか! 公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

先日、お客様の会社の新人研修をさせて頂きました。損益の見方ということで、損益分岐点についてお話しました。

私にとっては、身体に染み込んでいることなので、当たり前のと思っていましたが、意外と理解するのが難しいことに気付かされました。なので、改めて損益分岐点について復習してみたいと思います。

損益分岐点を算出するためには、まず、原価・経費を変動費と固定費に分類します。変動費とは売上高に応じて変動する原価・経費です。例えば、原価では材料費・外注加工費などがあります。経費では運搬費、場合によっては広告宣伝費なども変動費になります。

売上高から変動費を差し引いたものを限界利益といいます。モノを仕入れて販売している会社の場合は、売上総利益が限界利益と同じになることがありますが、製造業の場合は、製造原価の中に人件費があります。社員の人件費は固定費ですので、売上総利益と限界利益は異なります。

限界利益を売上高で割ったものを限界利益率といいます。損益分岐点とは、損益がトントンになるところの売上高です。計算式で導く方法もありますが、固定費を回収するためにどれだけ売上高が必要かという視点で考えてみます。

例えば、限界利益率が50%で、固定費が1億円でしたら、1億円の固定費を稼ぐためには2億円(1億円÷50%)の売上高が必要です。しかし、会社を継続的に運営していくためには、トントンではなく、必要な利益を確保しなければなりません。

必要な利益を50百万円とすれば、(50+10050%=300百万円の売上が必要となります。借入金返済を含め、自社の必要な売上高を逆算してみましょう!

この記事を書いた人
山崎 隆弘

山崎隆弘事務所所長
公認会計士・税理士

1960年福岡県生まれ。福岡市在住。29歳で公認会計士試験に合格。以来、中央青山監査法人(当時)で10年間勤務。会計監査、システム監査、デューデリジェンスに従事し、上場企業などの主査を務めるが、39歳のときに胆管結石による急性胆管炎を発症する。結石の除去に入退院を繰り返し、監査法人を退職。

1年間の休養後、41歳で父親の会計事務所に入所。44歳のときに同事務所を引き継ぎ、公認会計士事務所を開設。同時に妻二三代が入所。「ビジネスと人生を楽しくする会計事務所」がモットー。家族で踊る「会計体操」は、NHK・フジテレビ・KBC・RKB・読売新聞・西日本新聞など多数のメディアで取り上げられる。

著書に『年収と仕事の効率を劇的に上げる 逆算力養成講座』『なぜ、できる社長は損益計算書を信じないのか』。

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