
お客様の社長さんより「この本いいですよ」と勧められ、お借りしました。基本的に、人から勧められたものは読むこと、観ること、食べることにしています。早速、読ませて頂きました。
著者のビル・パーキンスは今年56歳、日本訳本が出版されたときが51歳ですから、50歳頃に書かれた本です。著者の紹介では1億2000万ドル超の資産を抱えるヘッジファンドマネージャーとあります。日本円に換算すると約177億円の資産を持っていまることになります。
この本の冒頭に、アリとキリギリスのイソップ寓話から、ところでアリはいつ遊ぶことができるのか?の疑問を出します。著者は「死ぬまでに、金を全て使い切りたい」として、だから「ゼロで死ぬ」(DIE WITH ZERO)ことを目指すべきとします。177億円を使い切るのも大変です。著者は節約ばかりしていると、そのときにしかできない経験をするチャンスを失う。その結果、世界が必要以上に小さな場所になってしまう。人生は経験の合計だからとの主張です。
人生で一番大切な仕事は「思い出づくり」であると著者のパーキンスは言います。私は、経験、思い出というよりも、どれだけ行動するかを重視しています。仏教的に言えば「業」あるいは「行」です。ろくな行動はできませんが、どれだけ「行」を積むかによると考えています。なので、キャッシュを貯めることを提唱してはいますが、あくまで行動するためのキャッシュです。お金が無いから行動できないということが自分にとって一番イヤなことです。お金を使うのも得意です。
例えば、海外旅行にしても、40代、50代と20ヶ国以上に行きました。60代後半になってくると、行くのも億劫になってきます。「思い出」は死ぬと消えてなくなりますが、「業」は残っていくとお釈迦様は説かれます。悪業しかできない自分ですが、「行」を積んでいきたいと思っています。