第287回 映画『杜人 ~環境再生医 矢野智徳の挑戦』

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造園家で環境再生医のの矢野智徳さんを2018年5月~2021年10月までを追ったドキュメンタリーです。矢野さんは1956年生まれで北九州市出身、現在は山梨県上野原市在住です。制作・監督・撮影の前田せつ子さんは、ナウシカのような矢野さんに出会い衝撃を受けます。

「虫たちは葉っぱを食べて空気の通りをよくしてくれている」「草は根こそぎ刈ると反発していっそう暴れる」「大地も人間と同じように呼吸しているから、空気を通してやることが大事」という言葉に感銘し、屋久島、気仙沼、安曇野等、矢野さんの現場を撮影していきます。

屋久島では荒波が打ち寄せる浜に、弱ったガジュマルの木が立っています。「屋久島の生態系のエネルギーでやっても追いつかないぐらい、人の負のエネルギーの方が大きいから、こういう状態になる」と言います。矢野さんは手作業を始めます。ノコ鎌でガジュマルの周りに空気が流れるよう草を払い、海へと流れる水みちに穴を掘っていきます。それだけで淀んでいた水は流れ出し、ガジュマルは息を吹き返します。

確かに、炭火をつける時にも、空気が通りやすいように木炭を積み上げていきます。人間の身体も、どこかが詰まると病気になります。胆管が詰まれば胆管炎となり、便秘になれば万病の基となります。ダムや、道路などコンクリートで固めているため、水が流れず段々と溜まっていき、その水を吐き出すために土砂災害になると説きます。水を流す、空気を流すために、現場にある廃材、流木を利用していきます。

「杜」とは「この場所を傷めず、穢さず、大事に使わせてください」と人が森の神に誓って紐を張った場であり、それを守る人を「杜人」というのだそうです。考えさせられる映画です。

この記事を書いた人
山崎 隆弘

山崎隆弘事務所所長
公認会計士・税理士

1960年福岡県生まれ。福岡市在住。29歳で公認会計士試験に合格。以来、中央青山監査法人(当時)で10年間勤務。会計監査、システム監査、デューデリジェンスに従事し、上場企業などの主査を務めるが、39歳のときに胆管結石による急性胆管炎を発症する。結石の除去に入退院を繰り返し、監査法人を退職。

1年間の休養後、41歳で父親の会計事務所に入所。44歳のときに同事務所を引き継ぎ、公認会計士事務所を開設。同時に妻二三代が入所。「ビジネスと人生を楽しくする会計事務所」がモットー。家族で踊る「会計体操」は、NHK・フジテレビ・KBC・RKB・読売新聞・西日本新聞など多数のメディアで取り上げられる。

著書に『年収と仕事の効率を劇的に上げる 逆算力養成講座』『なぜ、できる社長は損益計算書を信じないのか』。

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福岡市東区箱崎の公認会計士・税理士 山崎隆弘事務所
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